こんにちは。このたび、日本聴力障害新聞3月号を発行いたしました。
皆さん、いかがお過ごしですか?いま、天候が不安定などで風邪を引かれている方も多いようです。気をつけてくださいね。
1.ろう青年が、夢のバス運転手をめざし、ただ今、教習中
さて、今回のトップ面です。かつて、ろう者は運転免許の取得が認められていませんでした。警察庁との交渉などを重ね、現在、ろう者も普通に自動車を運転できるようになっています。そして、第二種運転免許も取得が可能になりました。これは、ろうあ連盟が交渉したことの成果です。
その結果、今年4月に施行されることになっています。それに先立って、京都府聴覚障害者協会青年部長(村上達也さん)が、第二種免許の取得をめざして、公安委員会に交渉し、公安委員会から教習所へ通達され、現在、その教習所で教習を受けている様子を本紙に載せています。彼は非常に嬉々として、ドキドキして、教習を受けています。免許取得後は、乗客との会話等が課題になります。いずれにせよ、このようにして、タクシーの運転手等の職域が拡大されていくとよいですね、会話等は、コミュニケーション条例や手話言語条例との関連でよくなっていくと良いですね。
2.全国手話研修センターが「手話総合資料室」HPを立ち上げ
皆様ご存じの全国手話研修センターが、今年3月末にホームページ「手 話総合資料室」を立ち上げることが決まりました。全日本ろうあ連盟は過去のろうあ運動や手話等のフィルムからの映像等を収集していました。その数、1万点を整理し、フィルムなどのデータをHPから閲覧できるようにしました。皆様、過去のろうの先輩から記録などが保存されてましたら、全国手話研修センターまで提供くださるよう、ご協力お願いいたします。それを楽しみにお待ちしております。
3.韓国が手話言語法を制定!
現在、日本が手話言語法の制定をめざして頑張って取り組んでいるとこ ろですが、隣の国、韓国が手話通訳制度などが充実されてきていますが、手話言語法を昨年12月31日の年末に韓国の国会で採択しました。この採択を、ろうあ協会は喜び、全日本ろうあ連盟からも石野理事長が祝辞を届けました。さて、この韓国手話言語法、条文の中には小・中学校の中に手話を普及するといった内容が触れられていないことについて、韓国ろうあ協会として今後、要望していく予定ということです。日本にとっても励みになるニュースですね。
4.ろうの獣医師の現在
山口県在住のろう者、二川(ふたがわ)さんが、獣医師の資格を持って います。二年前に日本聴力障害新聞に載ったことがきっかけで免許取得にこぎつけた方です。全日本ろうあ連盟が農林水産省に交渉して、法律から該当文章を取り除いていただくことで、獣医師の免許を取得することができたのです。その方が現在どうしているかということで、その様子を掲載しました。実に、この2年少しの大変さを語っていただきました。それを載せています。例えば、電話業務が多い職場がわかり、そこでの配置はなく、二川さんが電話が必要な場合は、母親に助けられて電話することが多いようです。当事者1人で仕事をするにはまだ壁が多いようです。また、仕事できる範囲が狭いため、今後、広げていく必要があります。今年4月から施行される障害者差別解消法と関わって取り組んでいけるかなと思います。皆様、ぜひ、障害者差別解消法を通して壁を乗り越えていき、職域を広げていく方法を考えていき、先ほど話したバス運転手の職域拡大、医師の職域拡大を考え、よりろう者が社会に参加し、よりよい社会を築いていけるようになればよいなと思います。
5.今度の全国ろうあ者大会は「阿波おどり」の徳島!
まもなく6月です。今年も恒例の全国ろうあ者大会が開催されます。場所は徳島県です。第64回になります。お申し込みいただく方法は、全日本ろうあ連盟加盟団体に申し込んでください。締切は4月1日です。多くの参加申込を楽しみにお待ちしております。
6.次号から新連載がスタート
皆さん、お楽しみの2本立てのことをお届けします。4月号よりマンガを連載していくことが決まりました。1面に載っています。タイトルは「ろう者たち~権利を求めて~」です。月1回連載で、2018年までの長い連載になります。ぜひ、お読みいただいて、何かを得ていただくよう、楽しみにお待ちくださいませ。
それが1つ目。2つ目が、これまで垰田先生に頸肩腕障害をテーマにした連載内容をご寄稿いただきました。これがこの3月号で終了し、4月号から1年間、筑波大学大学院の元教授の奥野英子先生に、これまでの手話通訳等の手話の制度の面での厚生労働省との関わりなどにもお世話になりました。この方にご寄稿いただくことになりました。福祉と手話の関係、手話通訳に関わることなどをご執筆いただきます。
これらの二本立ての連載を4月から掲載していきます。
ぜひ、お申し込みを京都事務所一同、お待ちしております。
では、またお会いしましょう。
その他
今年、2016年は、IAFや手話言語法などの様々な取り組みなど、数多くあると思います。今年4月に手話言語条例が施行される市町村も多くあると思います。30近くの自治体でしょうか。また、障害者差別解消法も施行されることが決まっています。聴覚障害だけでなく、視覚障害、肢体障害など、全ての障害者の差別を禁止する法律。ぜひ、皆さん、これらの内容を理解しながら、ともに学習を深めていきたいと思っています。
それでは、今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。